ガボールパッチとは?画像で見る縞模様(しまもよう)のしくみ
このサイトのゲームに出てくる、丸くてフチがぼんやりした縞模様。これは「ガボールパッチ」と呼ばれる図形です。名前だけ聞くと難しそうですが、成り立ちはとても単純です。実物の画像を見ながら説明していきます。
フチがにじんだ縞模様
ガボールパッチは、真ん中がはっきり見えて、フチにいくほど灰色に溶けていく縞模様です。実物はこういう図形です。
普通の縞模様、例えば横断歩道やしましまのシャツを思い浮かべてください。あれは端まできっちり縞(しま)が続いていて、輪郭がはっきりしています。ガボールパッチはそうではありません。中央では縞がくっきりしていますが、外側へ向かうにつれてだんだん薄くなり、いつのまにか背景の灰色と区別がつかなくなります。
この「境目がない」という性質が、ガボールパッチの一番の特徴です。輪郭という余計な手がかりがないので、見る人は縞そのものに目を向けることになります。
二つの要素のかけ算でできている
ガボールパッチは、まったく違う2つのものをかけ合わせて作られます。
- 正弦波の縞模様。明るい・暗いがなめらかに繰り返す、波のような縞です。白と黒がくっきり切り替わるのではなく、じわりと変化します。
- ガウス関数のぼかし。中央が1で、外へ行くほど0に近づく、釣鐘のような形をした「濃さの割り当て」です。統計でおなじみの正規分布と同じ形をしています。
この2つをかけ算すると、中央では縞がそのまま残り、外側では縞に0がかけられて消えます。結果として、真ん中だけに縞が浮かんでいる図形ができあがります。
名前の由来は、この形を数学的に定式化したデーニス・ガーボル(Dennis Gabor)にちなみます。ホログラフィーの発明で知られる物理学者です。
4つのつまみで見た目が決まる
ガボールパッチの見た目は、次の4つの数字で決まります。このサイトのゲームは、どれをどう動かすかで種類が分かれています。言葉だけでは伝わりにくいので、それぞれの画像を並べてみます。
| 要素 | 意味 | 変えるとどうなるか |
|---|---|---|
| 向き | 縞が傾いている角度 | 縦・横・ななめが切り替わる |
| 細かさ | 縞が何本つまっているか | 粗い縞/細かい縞になる |
| 濃さ | 明暗の差の大きさ | はっきり見える/うっすらしか見えない |
| 明暗の位置 | 中央が明るいか暗いか | 白い芯/黒い芯に見える |
例えば一瞬の向き当ては正解を重ねるごとに「濃さ」を下げていき、流れる向きは「明暗の位置」を続けて動かすことで縞が流れて見えます。なお、この4つとは別に、パッチをどれくらいの大きさで描くかという要素もあります。どんどん小さくはそこを動かすゲームです。
この4つを自分で選んだ画像は、ガボールパッチの画像を作って保存するページで作り、PNGで保存できます。
なぜ研究で使われてきたのか
ガボールパッチは、視覚のしくみを調べる研究で長く使われてきました。理由は、条件を1つだけきれいに変えられるからです。
普通の写真やイラストを見せて「見えましたか」と尋ねても、何が効いているのか分かりません。色なのか、形なのか、それとも知っているものだから分かっただけなのか、切り分けようがないのです。
その点ガボールパッチは、色もなく、見覚えのある形でもなく、輪郭すらありません。残っているのは、さきほどの4つの数字だけです。そのうち1つだけを動かせば、その1つが何をもたらすかがはっきりします。実験の道具として、これはとても都合の良い性質でした。
ゲームとしてあそぶときにも、この性質は活きています。「なんとなく分かった」ではなく「濃さが何%まで見分けられたか」という形で、自分の記録が数字になって残ります。
よくある質問
Q. 背景がなぜ灰色なのですか
ガボールパッチは、明るい部分と暗い部分が同じだけあるので、全体をならすとちょうど中間の灰色になります。背景をその灰色に合わせておくと、パッチが背景から浮き上がって見えません。もし背景が白かったら、縞を見分ける前に「そこに何かある」と分かってしまい、課題として成り立たなくなります。
くわしくは画面の明るさと見え方で説明しています。
Q. ガボールパッチはいろいろな文脈で紹介されていますが
書籍やテレビなどで、さまざまな文脈で取り上げられることがあります。当サイトはガボールパッチをゲームの題材として使っており、健康に関する効果について述べる立場にはありません。あくまであそびとしてお楽しみください。
Q. どのゲームから始めればいいですか
まずは絵柄マッチがおすすめです。マウスやタップだけであそべて、進んでも縞の濃さが変わらないので、ガボールパッチの見た目に落ち着いて慣れることができます。テンポのよいものが好みならヘビへどうぞ。10のゲームの違いと選び方もあわせてどうぞ。